ケアマネジャーは選べる?松山での探し方
要介護認定の結果が届いて、ほっとしたのも束の間。次に言われるのが「ケアマネジャーを決めてください」の一言です。
聞き慣れん役割の人を、名簿を渡されて自分で決める。何を基準に選べばいいのかも分からんまま、とりあえず家からいちばん近い事業所に電話をかけた。。。というご家族に、大将は何度もお会いしてきました。
無理もないんです。誰も教えてくれんのですから。
がしかし、ケアプランを作る人は、これから何年も一緒に考えていく相手です。ここは知っておいてほしい。この記事では、制度上どこまでご家族の側で選べるのか、松山ではどこを見れば事業所が分かるのか、決めたあとに市へ出す届出はどうなっているのか。松山市と厚生労働省の資料をもとに、順に並べます。
ケアプランを作る人は、家族の側が選べます
まず、言葉の整理から。居宅介護支援とは、ケアプランの作成やサービス事業所との連絡調整などを行う仕組みのことです(松山市)。その担当者がケアマネジャー(介護支援専門員)で、所属先を居宅介護支援事業所といいます。
この居宅介護支援について、松山市は「全額介護保険で給付されるため利用者負担はありません」と書いています(2026年8月時点)。ケアプランを作ってもらうこと自体に、自己負担は生じないということです。
そして、事業所の選び方についても国の基準に定めがあります。「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)の第一条の二第3項には、こうあります。
利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行われなければならない。
さらに第四条第2項では、支援を始めるときに事業所が利用者へ説明すべきこととして、次が挙げられています。
居宅サービス計画が第一条の二に規定する基本方針及び利用者の希望に基づき作成されるものであり、利用者は複数の指定居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができること
つまり、勧められた一か所にそのまま決めにゃいかん、という仕組みにはなっていないんです。「ほかにもいくつか教えてください」と言うことは、わがままでも何でもない。制度のほうが最初からそれを前提にしている行動です。
ここ、知っているだけでずいぶん気が楽になると思います。
要支援と要介護で、相談する先が違います
もうひとつ、最初につまずきやすいのがここです。認定の区分によって、ケアプランを作る窓口が変わります。
| 認定の区分 | ケアプランを作る窓口 | 制度上の名前 |
|---|---|---|
| 要支援1・2 | 地域包括支援センター、または介護予防支援事業所として松山市の指定を受けた居宅介護支援事業所 | 介護予防支援 |
| 要介護1〜5(在宅サービスを希望する場合) | 居宅介護支援事業所 | 居宅介護支援 |
出典: 松山市「要介護認定からサービス利用開始までの手続き」「居宅介護支援・介護予防支援」(2024年3月27日更新)
要支援1・2の方は、まず地域包括支援センターが窓口になります。なお松山市は、要支援1・2の人は施設サービスを利用できない旨もあわせて案内しています。
介護保険の申請そのものがこれからという段階の方は、松山で介護保険を申請するには?窓口と流れもあわせてご覧ください。
松山で事業所を探す、3つの入り口
「名簿を渡された」だけでは選びようがありません。松山では、次の3つが公的な入り口になります。
| 入り口 | できること | 連絡先など |
|---|---|---|
| 松山市の介護サービス事業所一覧 | 「指定居宅介護支援」を含む市内の事業所を種別ごとにPDFで確認できる(令和8年8月1日現在の一覧) | 松山市公式サイト/指導監査課 089-948-6968 |
| 愛顔ケアねっと(愛媛県)・介護サービス情報公表システム(厚生労働省) | 事業所ごとの情報を条件で検索できる(いずれも松山市の公式サイトから案内あり) | 各サイト |
| 地域包括支援センター | 町名別の担当センターに相談できる。夜間・早朝など平日以外も連絡できる | 市内13か所およびサブセンター2か所/基幹型 089-948-6784 |
出典: 松山市「介護サービス事業所一覧」(2026年8月17日更新)、松山市「松山市地域包括支援センター」(2026年7月24日更新)
一覧で数か所に絞ったら、電話や面談で次のようなことを聞いてみてください。答えの中身はもちろんですが、質問をどう受け止めてもらえたかも、ご家族にとっては大事な判断材料になると思います。
- 担当されている方の人数と、これから受けられる余裕があるかどうか
- 訪問の頻度と、急ぎのときの連絡手段(電話・メール・時間帯)
- ほかの事業所も紹介してもらえるか(前述のとおり、求めてよいことです)
- その事業所が併設・隣接して運営しているサービスがあるかどうか
最後の項目は、その事業所を疑うためのものではありません。事業所ごとに得意な分野や体制が違うので、どういう成り立ちの事業所なのかを知っておく、というだけの話です。
決まったら、松山市へ届出があります
依頼する事業所が決まったら、市への手続きがひとつあります。居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書を松山市介護保険課へ提出します。
松山市は提出の時期について、「要介護認定の申請時に、若しくは、居宅サービス計画の作成を依頼する事業所が決まり次第速やかに松山市介護保険課へ提出」と案内しています。多くの場合、依頼した事業所が手続きを案内してくれますが、届出の宛先が市であることは知っておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出書の名称 | 居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書 |
| 提出先 | 松山市 介護保険課 介護給付担当 |
| 電話 | 089-948-6885・089-948-6924 |
| 所在地 | 〒790-8571 松山市二番町四丁目7-2 別館2階 |
出典: 松山市「要介護認定からサービス利用開始までの手続き」(2024年3月27日更新)
書類の名前に「(変更)」と入っているとおり、この届出は事業所を変えるときにも使うものです。最初の一回で決めきらなければならない、という制度にはなっていません。
合わないと感じたときは
相性の話は、どうしても出てきます。説明が分かりにくい。連絡がつきにくい。こちらの希望が計画に反映されとらん気がする。。。
言いにくいですよね。お世話になっている手前、なおさら。
がしかし、我慢し続けるのがいちばんもったいない。事業所を変えること自体は、制度上できないことではありません。ただ、これまでの経過やサービス事業所とのやり取りを引き継ぐ必要があるので、いきなり切り替えるより、次の順で相談したほうが現実的だと思います。
- まず、担当のケアマネジャーに希望を具体的に伝える(「もっと連絡がほしい」「この点を計画に入れてほしい」)
- それでも難しければ、その事業所の管理者に相談する
- 事業所ごと変えたいときは、地域包括支援センターや松山市介護保険課に相談する
なお、住まいと組み合わせたケアプランの仕組みについては、国が令和9年度の介護報酬改定に向けて見直しを議論しています。有料老人ホームなどに入居した場合のケアプランを誰が作るのか、という論点です(施行前のため、いずれも予定の段階です)。この話は老人ホーム紹介センターの仕組みと確認したいことで、国の資料の原文を引きながら整理しました。
在宅を続けるか、施設を考えるかで迷っておられる段階の方は、在宅介護の限界、どこで施設を考えるかもご覧ください。
松山では、どうなっているか
松山市には、地域包括支援センターが13か所、サブセンター2か所あります。担当は町名で決まっていて、一覧は市の公式サイトで公開されています。市は「夜間、早朝など、平日以外も連絡できます」とも書いています。ここは手数料の発生しない公的な窓口です。
上の表のとおり、探す・決める・届け出るで窓口の番号が分かれています。ややこしく見えますが、どこにかけても行き先は案内してもらえます。番号を選ぶことより、まず一本かけることのほうがずっと大事です。
ケアプランの立て方について、大将には昔から変わらん考えがあります。
介護の現場は、介護職・相談員・ケアマネジャー・看護と、いろいろな職種が協力しあって回っています。異業種同士が一つの目標に向かって噛み合った瞬間は、正直、鳥肌が立つほどおもろい。そのなかで一つの計画を出すときは、ご家族にもケアマネジャーにも先に相談して、最終的にご本人の意向を確認してGOをもらう。この順番を大事にしたい、と思っています。
大将がずっと言うてきた「快」は、こちらが「してあげた」と満足することではありません。評価の基準は、いつもお客様のほうにある。ものさしは、実際に介護を受ける方の価値観です。ケアプランも同じだと思うんです。誰の「快」のための計画なのか。そこさえずれていなければ、多少の手間は後から取り返せます。
まとめ
- 居宅介護支援(ケアプランの作成・連絡調整)は、松山市の説明では利用者負担がありません
- 国の基準は、事業所が公正中立であることと、利用者が複数の事業所の紹介を求められることを前提にしています
- 要支援1・2は地域包括支援センターなど、要介護1〜5の在宅サービスは居宅介護支援事業所が窓口です
- 探す入り口は、松山市の事業所一覧・情報公表システム・地域包括支援センターの3つ
- 決まったら「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」を松山市介護保険課へ。変更のときも同じ届出です
ケアマネジャーは、渡された名簿の中から諦めて選ぶ相手ではありません。これから何年も、一緒に考えていく相手です。
聞きたいことは、聞いていい。以上!
デイサービスやグループホームの利用を考える段階になりましたら、見学のご相談をお受けしています。ケアマネジャーがまだ決まっていない段階のご質問でも構いません。分かる範囲でお答えし、大将で分からんことは公的な窓口をご案内します。
してあげるのではなく、させていただく。関わる皆様の「快」が少しでも増えるよう、チーム大将でやってまいります♪
この記事の出典
- 松山市「要介護認定からサービス利用開始までの手続き」(2024年3月27日更新) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohoken/sa-bisuriyou/riyoukaishimade.html
- 松山市「居宅介護支援・介護予防支援」(2024年3月27日更新) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohoken/hokensa-bisu/zaitaku/kyotakusien.html
- 松山市「介護サービス事業所一覧」(2026年8月17日更新・令和8年8月1日現在) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohokenunei/zyouhou/jigyousyoichiran.html
- 松山市「松山市地域包括支援センター」(2026年7月24日更新) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/koureisyashien/shien_center/houkatsu.html
- 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)第一条の二第3項・第四条第2項 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999405&dataType=0&pageNo=1
※制度・窓口の情報は2026年8月時点のものです。金額や手続きの詳細は、必ず松山市介護保険課または担当の地域包括支援センターでご確認ください。