不安

介護保険の自己負担、1割・2割・3割の決まり方

明細の「1割」「2割」という文字。ここで手が止まったこと、ありませんか。

隣の家は1割。うちは2割。同じサービスを同じだけ使っているのに、支払う額が倍になる。なぜそうなるのか、誰も説明してくれないまま、毎月の請求書だけが届く。。。

これ、ご家族から本当によくうかがう戸惑いです。

自己負担の割合は、感覚や交渉で決まるものではありません。 前年の所得をもとに、決められた手順で判定されています。仕組みが分かれば、少なくとも「なぜうちはこの割合なのか」は説明がつく。もやもやが「事実」に変わります。

それともうひとつ。割合が上がっても、1か月の支払いには上限がある。これは知っておいていただきたい。

この記事では、判定の仕組み・毎年8月に届く負担割合証・支払いの上限・松山市の窓口を、厚生労働省と松山市の資料にもとづいて整理します。

まず、手元の「介護保険負担割合証」を見てください

これ、実はとても簡単です。介護保険負担割合証という、はがきサイズの証書に書いてあります。調べ物も計算も要りません。見るだけ♪

松山市では、要介護・要支援認定を受けている方と事業対象者の全員に、市から負担割合証を発行しています。申請は必要ありません。介護サービスを利用するときは、介護保険被保険者証と2枚一緒に、事業者や施設に提出します。

大事なのは、この証書に有効期限があることです。厚生労働省の通知には「有効期限の始期は8月1日、終期は翌年7月31日となる」と明記されています。つまり負担割合は1年ごとに判定し直され、毎年夏に新しい証書へ切り替わります。

去年1割だった方が、今年も1割とは限りません。前年の所得が変われば、割合も変わります。届いた封筒をそのまま引き出しにしまわず、その年の割合をひと目だけ確かめてください。

なお、40歳から64歳までの方(第2号被保険者)は、所得にかかわらず一律で1割です。

1割・2割・3割は、二段階で決まります

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。

判定は、本人の所得を見る段階と、世帯の収入を見る段階の二段階。片方だけを満たしても、割合は上がりません。 ここを知らずに「所得が増えたからうちはもう2割だ」と思い込んでおられる方、けっこういらっしゃいます。

負担割合の判定は二段階。第1段階で本人の前年の合計所得金額を見て160万円未満なら1割。160万円以上なら第2段階へ進み、世帯の65歳以上全員の年金収入とその他の合計所得金額の合計で1割・2割・3割が分かれる

第1段階 — 本人の前年の合計所得金額

  • 160万円未満 … ここで1割が確定します
  • 160万円以上220万円未満 … 「一定以上所得者」の候補として第2段階へ
  • 220万円以上 … 「現役並み所得者」の候補として第2段階へ

第2段階 — 同じ世帯の65歳以上の方全員の収入の合計

こちらで見るのは「公的年金等の収入金額+その他の合計所得金額」の合計です。同一世帯に65歳以上の方が本人だけかどうかで、線引きが変わります。

世帯の状況 1割 2割 3割
65歳以上が本人のみ 280万円未満 280万円以上340万円未満 340万円以上
65歳以上が2人以上 346万円未満 346万円以上463万円未満 463万円以上

出典: 厚生労働省老健局介護保険計画課 老介発0604第1号(令和7年6月4日/介護保険最新情報 Vol.1390)

※第1段階で160万円未満だった場合は、この表に関係なく1割です。

さらに、次のいずれかに当てはまる場合は、上の判定にかかわらず1割になります。

  • その年度分の市町村民税が非課税である場合
  • 生活保護を受けている場合

ここで一点、混乱しやすいところを。第1段階で見る「合計所得金額」と、第2段階で見る「年金収入+その他の合計所得金額」は、別の種類の数字です。年金の額面がそのまま合計所得金額になるわけではありません。

ですから大将は、ご自分で電卓を叩いて結論を出すのはおすすめしません。負担割合証に書かれた割合が正です。計算が合わないなと感じたときは、市の窓口へ。そのほうが早いし、確かです。

2割・3割でも、1か月の支払いには上限があります

「2割になった」と聞くと、支払いが青天井に増えていくように感じられるかもしれません。。。

そこは、どうか落ち着いて。上限があります。

介護サービスの自己負担が1か月で一定額を超えたときは、超えた分が高額介護(介護予防)サービス費として払い戻されます。上限額は所得の区分ごとに決まっています。

区分 世帯の上限額(月額) 個人の上限額(月額)
課税所得690万円以上の方がいる世帯 140,100円 140,100円
課税所得380万円以上690万円未満の方がいる世帯 93,000円 93,000円
課税所得380万円未満の方がいる世帯 44,400円 44,400円
世帯全員が市町村民税非課税(第3段階) 24,600円 24,600円
世帯全員が市町村民税非課税(第2段階) 24,600円 15,000円
生活保護を受給している方など(第1段階) 24,600円 15,000円

出典: 松山市「高額介護(介護予防)サービス」(2026年8月時点)

※第1〜第3段階は、世帯の課税状況と収入によって分かれます。この区分の基準額は見直されることがありますので、ご自身がどの区分に当たるかは市の窓口でご確認ください。

松山市では、支給の対象になる可能性がある方へ市から申請書を送っています。そして一度提出すれば、以降の申請は不要です。

この上限の対象になるのは、介護サービスの利用者負担分です。施設に入所したときの食費・居住費は別の仕組み(負担限度額認定・補足給付)で扱われますので、施設の食費・部屋代はどう決まる?軽減制度の話もあわせてご覧ください。

「2割負担の対象が広がる」は、まだ決まっていません

インターネットで「介護保険 2割負担」と調べると、「対象が拡大される」「年収◯◯万円から2割になる」といった記事がずらっと出てきます。中には、ご家族の不安をあおるような書き方も見かけます。

大将は、そういうのが好かんのです。

ですのでここは、国の資料を自分たちで当たって確かめた事実だけをお伝えします。

2026年8月時点で、対象拡大は決まっていません。

国の社会保障審議会介護保険部会がまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和7年12月25日)は、「一定以上所得」の判断基準の見直しについて「検討する必要がある」とし、「本部会で継続検討し、第10期介護保険事業計画期間の開始(令和9年度〜)の前までに、結論を得ることが適当である」と締めています。

つまり現在地は、こうです。

  • 見直すかどうか、どこで線を引くかは決まっていない
  • ただし令和9年度が始まる前までに結論を出すという期限は示されている
  • 部会では、対象を被保険者の上位約25%から約30%に相当する範囲へ広げる選択肢(単身で260万円から230万円まで)を示して議論した。これは議論された案であって、決定ではありません
  • 負担が増える方への配慮措置も、あわせて議論されています
  • 令和7年12月のこの意見の時点で、2割負担に該当するのは「約4.3%(234,062人)」と記載されています

今後の報道で数字を見かけても、「決まった」と読み替えないでください。制度が実際に変わるときは、必ず市から通知が届きます。

松山では、どうなっているか

ここからは、松山市での実際の窓口と数字です。

負担割合証は、申請しなくても届きます。 ただし、新規に申請中の方や、更新申請中で認定の有効期間が7月31日までの方は、認定結果が出たあとの発行になります。松山市外から転入された方は、前の市町村へ所得を照会するため、発行に時間がかかる場合があります。8月になっても届かないときは、市へお問い合わせください。

もう一つ、松山市の資料で確認しておきたいのが区分支給限度基準額です。 介護保険を使ってサービスを利用できる1か月の上限額で、要介護度ごとに決まっています。この範囲を超えて利用した分は、負担割合にかかわらず全額が自己負担になります。

要介護度 1か月の上限額
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

出典: 松山市「介護保険で利用できるサービスと利用料」(2026年8月時点)

「1割だから安心」ではなく、「限度額の中でどう組み立てるか」。実際の負担を左右するのは、こちらです。ここはケアマネジャー(ケアプランを作る専門職)と一緒に考えるところ。遠慮なく相談してください♪

松山市 介護保険課(松山市二番町四丁目7番地2 松山市役所別館2階/平日8時30分〜17時)

用件 電話
介護給付・サービスのこと(負担割合証・高額介護サービス費) 089-948-6885・6924
要介護認定の申請のこと 089-948-6841・6926
介護保険料のこと 089-948-6919・6966

これから介護保険を申請される方は、松山で介護保険を申請するには?窓口と流れに手順をまとめています。在宅での介護をどこまで続けるか迷っておられる場合は、在宅介護の限界、どこで施設を考えるかもご覧ください。

まとめ

  • 自分の負担割合は、介護保険負担割合証に書いてあります。松山市では申請不要で届きます
  • 有効期限は8月1日から翌年7月31日まで。毎年判定し直されます
  • 判定は二段階。本人の合計所得金額が160万円未満なら、その時点で1割です
  • 市町村民税が非課税の場合、生活保護を受けている場合は1割です
  • 2割・3割でも、高額介護サービス費で1か月の支払いに上限があります
  • 2割負担の対象拡大は、2026年8月時点で決まっていません(結論は令和9年度が始まる前まで)
  • 松山市の窓口は介護保険課 介護給付担当(089-948-6885・6924)です

制度の話は、どうしても数字と条件の羅列になります。読むだけで疲れますよね。。。

それでも大将がこうしてお伝えするのは、分からないまま不安でいる時間を、少しでも短くしたいからです。

大将がずっと大事にしている「快」は、こちらが「してあげている」ものではなく、お客様とご家族の反応の中から生まれてくるものだと思っています。だから大将は、うちの職員さんにもよく言うんです。レスポンスの速さそのものが「快」よな、と。待たせないこと、聞かれる前にお出ししておくこと。それも立派な「快」のひとつの形だと感じています♪

費用のことは、施設をお探しの段階でも構いません。遠慮なくお尋ねください。見学のご相談は、こちらのフォームからお気軽にどうぞ。


出典

※本記事は2026年8月時点の情報にもとづいています。制度や運用は変わることがありますので、手続きの際は必ず松山市 介護保険課でご確認ください。個別の負担割合の判定については、お手元の負担割合証と市の窓口でのご確認をお願いします。

まずは、見学にお越しください。

どの施設が合うのか、費用はどれくらいか。決めていない段階のご相談で結構です。お電話でもフォームでもお受けします。

見学のご相談 →

お電話 089-993-5737