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松山で特養に申し込むには|入所の流れと順番

家での介護が続いて、ある晩ふっと思う。「そろそろ、特養を考えたほうがええんかな」。

でも、耳に入ってくるのは「特養は何年も待つらしい」「申し込んだ順番やろ」といった話ばかり。どこから手をつけたらいいのか分からないまま、時間だけが過ぎていく。。。そんなご家族は少なくないと思います。

大将です。

特別養護老人ホーム(特養)は、正式には介護老人福祉施設といい、常に介護が必要な方が暮らす施設です。そして、入所の順番は「申し込んだ順」では決まりません。愛媛県には入所の考え方をまとめた指針があり、施設はそれを参考に入所の基準を作っています。

今日は、国の通知と愛媛県の入所指針、松山市の公式情報をもとに、申し込みの流れと順番の決まり方、待つ間にできることを整理します(2026年9月時点)。

特養に申し込めるのは、原則として要介護3以上

松山市の案内では、特養は「原則として、要介護3以上の方のみが入所できる」とされています。要支援1・2の方は利用できません。

ただし、「要介護1や要介護2の方であっても、やむを得ない事情により、特別養護老人ホーム以外での生活が困難な方については、特例的に入所できます」とも書かれています。これを特例入所といいます。

特例入所で考慮される事情は、厚生労働省の通知で次の4つが示されています。令和5年の改正で、これらを「十分に考慮すること」、地域の実情等から自治体が必要と認める事情があれば「それも考慮すること」とされました。

特例入所で考慮される事情(要介護1・2の方)
認知症があり、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られる
家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難である
単身世帯である、同居家族が高齢または病弱である等により家族等の支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分である

出典: 厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」(平成26年12月12日 老高発1212第1号、令和5年4月7日一部改正)。2026年9月確認

同じ通知では、申し込む側から「特例入所の要件に当てはまる」という申し立てがある場合、申し込みを受け付けない取り扱いは認めないとされています。要介護1・2だからといって、最初からあきらめなくてええんです。

まだ要介護認定を受けていない場合は、申請が出発点です。松山市での申請の流れは松山で介護保険を申請するには?窓口と流れにまとめています。

申し込みは施設ごと。順番は「申し込み順」ではない

愛媛県と愛媛県老人福祉施設協議会は、「愛媛県指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入所指針」を作っています。必要性の高い方が優先的に入所できるよう入所の基準をはっきりさせ、決め方の透明性と公平性を保つためのものです。

指針に沿った流れを図にすると、こうなります。

特養の入所が決まるまでの流れ。要介護認定、施設への申し込み、第一次判定、第二次判定、入所検討委員会、入所決定の順

  • 申し込みは、施設所定の申込書で行います。あわせて調査票と介護保険の被保険者証の写しを出します
  • 要介護1・2の方は、申込書類に記載された特例入所の要件について説明を受け、当てはまると考える事情を記入します。施設は保険者である市町村に報告し、必要に応じて意見を聞きます
  • 施設には入所検討委員会が置かれます。施設長や生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員に加え、施設職員以外の第三者等も入り、少なくとも3か月に1回程度開かれます
  • 入所の意思を確認したあとに申込者の都合で辞退すると、順位が繰り下げられることがあります。再度辞退した場合は、名簿から削除されることがあります

順番を決める「第一次判定」

第一次判定では、申し込んだ方の状況を点数にして、大まかなグループに分けます。指針の判定基準では、次の柱で点数をつけます。

柱 内容 配点
介護の必要性 要介護度 要介護1=10点 〜 要介護5=50点(10点きざみ)
在宅介護の困難性① 介護する方の有無 介護者なし=50点/介護者あり=主な介護者が65歳未満10点・65歳以上75歳未満15点・75歳以上20点
在宅介護の困難性② 主な介護者の状況 就労中・育児中・病弱で介護が困難・ほかにも介護している、のうち最大2項目を加算(0〜20点)

出典: 愛媛県「入所判定基準」(別表1 入所申込者第一次判定基準。平成29年3月施行の指針)。2026年9月確認

要介護度が高いほど、また家で介護を担える方がいない・介護する方も高齢といった事情があるほど、優先度が高く見られる仕組みです。「早い者勝ち」ではなく「必要な方から」。筋の通った考え方だと大将は思います。

くわしく状況を見る「第二次判定」

上位のグループの方については、第二次判定で暮らしの状況をくわしく確認します。指針が参考例として挙げているのは、認知症の日常生活自立度や症状による介護の負担、家族の状況(同居か別居か、協力の程度など)、いまどこで生活しているか、居宅サービスの利用状況や待機期間などです。

ただし、第二次判定の項目は参考例であり、施設に義務づけるものではないと指針に書かれています。指針は、各施設が市町村と協議して入所基準を作り、その内容を公表し、入所を希望する方に説明することを求めています。実際の基準は、申し込む施設で確かめてください。

待っている間の支え方

入所の時期は見通しが立てにくいものです。だからこそ、待つあいだの暮らしの支えが大事になります。

サービス どんなものか(厚生労働省の説明より)
短期入所生活介護(ショートステイ) 特別養護老人ホームなどの施設で短期間生活し、入浴・排泄・食事などの介護や機能訓練を受ける
通所介護(デイサービス) デイサービスセンターなどで、入浴・排泄・食事などの介護や機能訓練を受ける
小規模多機能型居宅介護 自宅で、または拠点に通ったり短期間泊まったりして、介護や機能訓練を受ける
居宅介護支援(ケアマネジャー) 本人や家族の希望などを考えたうえでサービスの計画を立て、事業者との連絡・調整を行う

出典: 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス編」。2026年9月確認

特養に申し込んだことは、担当のケアマネジャーにも伝えておいてください。愛媛県の指針では、要介護1・2の方の特例入所について、市町村が「担当の介護支援専門員からの居宅における生活の困難度の聴取の内容等」も踏まえて意見を出せるとされています。ふだんの暮らしを知っている人が、申し込みの状況も知っている。これは心強いことです。

在宅を続けるか、住まいを移すかで迷っている段階なら、在宅介護の限界、どこで施設を考えるかもあわせてどうぞ。

松山では、どうなっているか

松山市の公式ページには、特養の申し込み方法そのものは書かれていません。申し込みは各施設に対して行う形になるので、まずは市内の施設を知ることから。市の「介護サービス事業所一覧」(PDF)で、市内の事業所を確認できます。

費用の目安は市が公表しています。要介護5の方が1割負担で特養を1か月利用した場合、令和8年8月からの合計の目安は、多床室で約112,000円、ユニット型個室で約149,000円です(施設サービス費・居住費・食費・日常生活費の合計。日常生活費は施設により設定)。所得によっては食費・居住費が軽くなる制度があり、その仕組みは施設の食費・部屋代はどう決まる?軽減制度の話に書いています。

用件 窓口 電話
特養のこと・費用や負担軽減のこと 松山市 介護保険課 介護給付担当 089-948-6885 / 089-948-6924
要介護認定の申請 松山市 介護保険課 要介護認定申請担当 089-948-6841 / 089-948-6926
何から始めればよいか分からないとき お住まいの地区の地域包括支援センター(市内13か所+サブセンター2か所) 基幹型 089-948-6784

出典: 松山市「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護保険課」「松山市地域包括支援センター」。2026年9月確認

地域包括支援センターは、高齢者の暮らしや介護の相談を受ける公的な窓口です。抱え込まんと、使ってください。

大将は昔、自分のブログに「ついのすみか。妥協しても幸せなことはありません」と書いたことがあります。いまも気持ちは変わっていません。

同じブログには、何かを提案するときは「ご家族にも、ケアマネにも相談し」「最終的にご本人の意向を確認し」てから進める、とも書きました。住まいを移すのはご本人にとって大きな決断です。この順番を大事にしていただけたらと思います。

まとめ

  • 特養に入所できるのは原則として要介護3以上。要介護1・2でも、やむを得ない事情があれば特例入所の対象になり得ます
  • 申し込みは施設ごと。順番は申し込み順ではなく、要介護度や在宅介護の難しさをもとに入所検討委員会で検討されます
  • 実際の入所基準は、各施設が市町村と協議して作り、公表・説明することになっています。申し込む施設で確かめてください
  • 待っている間は、ショートステイやデイサービス、ケアマネジャーとの相談で暮らしを支えます
  • 松山市の窓口は介護保険課 介護給付担当(089-948-6885)、迷ったら地域包括支援センターへ

施設探しの見学で見ておきたい点はグループホーム見学、大将が見てほしい5つの点にまとめています。

大将が大事にしている「快」は、こちらが「してあげる」ものではなく、受け取ってくださる方の反応から生まれるものです。だから「してあげている」ではなく「させていただいている」。どこで暮らすことになっても、ご本人のいまが快かどうか。そこを物差しにしてほしいんです。

大将のところでは、グループホーム・デイサービス・居宅介護をやっています。特養を待っている間の暮らしのことも含めて、見学のご相談はこちらのフォームからどうぞ♪


出典

※本記事は2026年9月14日時点の公表情報にもとづいています。入所の基準は施設ごとに定められ、制度や費用、窓口は変わることがあります。実際の申し込みにあたっては、各施設と松山市 介護保険課でご確認ください。個別のご事情については、ケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。

まずは、見学にお越しください。

どの施設が合うのか、費用はどれくらいか。決めていない段階のご相談で結構です。お電話でもフォームでもお受けします。

見学のご相談 →

お電話 089-993-5737