地域

一人暮らしの親が心配|松山市の見守り支援

電話をかけて、五回鳴っても出ない。留守電にも切り替わらない。

その十分ほどのあいだに、頭のなかでいろんなことが起きます。転んでいないか。ご飯は食べたのか。鍵は閉めたのか。。。かけ直したら普通に出て、「昼寝しよったんよ」と言われて、へなへなと力が抜ける。

このお話、大将のところにも本当によく届きます。介護保険を使うほどではない。施設を考える段階でもない。でも心配ではある。この「あいだ」の時期がいちばん長くて、いちばん相談先が分かりにくい。

そういうときに使える仕組みが、実は松山市にはいくつもあります。がしかし、別々の名前・別々の窓口で、まとめて説明された場所がほとんどない。もったいない話やと思うんです。ここで一度、大将が整理しておきます。

「見守り」はひとつの制度ではありません

「見守りサービス」という名前の制度は、松山市にはありません。あるのは、目的の違う複数の事業です。定期的に人が訪ねて様子を見るもの。急なときにボタンひとつで通報できるもの。地域の民間事業者が異変に気づいたときに連絡が回るもの。認知症で行方が分からなくなったときに備えるもの。

つまり、心配の中身によって使う仕組みが変わる。「親が一人で心配です」とだけ相談すると、どれを紹介されるかが担当者しだいになってしまいます。

そこで大将からのお願いです。次の三つを言葉にしてから相談してみてください。

  • 何が心配か(倒れていないか / 食べているか / 出かけて帰れなくなるか)
  • 今すぐ困っているか、備えとして考えているか
  • ご本人が、人に来てもらうことを受け入れられそうか

三つ目は見落とされがちですが、大将はここがいちばん大事やと思っています。ご本人の性分に合うかどうか。ここを飛ばすと、続きません。

なお、一人暮らしと認知機能の心配が重なっている方は、全国的にも増えています。国の推計では、一人暮らしで認知機能の低下がある高齢者は2025年で250万人、2050年には349万人になると見込まれています(認知症とMCI=軽度認知障害を合わせた推計値。社会保障審議会介護給付費分科会 資料1・令和8年9月3日)。ご自分だけが抱えている悩みではない、ということです。

松山市の見守りの仕組み(対象・費用・申込先)

松山市が「みまもり(安否確認)等関係事業」として並べているもののうち、ご家族が実際に使うことになるのが次の四つです。

事業名 対象 内容 費用
独居高齢者等実態調査 65歳以上の独居高齢者、在宅ねたきり高齢者、認知症高齢者 民生児童委員の訪問等により状況を把握し、登録された情報をもとに関係機関との連携を図る —
独居高齢者みまもり員設置事業 市内在住の65歳以上の独居高齢者のうち、日常生活に不安がある方 みまもり員が定期的に自宅を訪問、声掛け、電話等で安否確認 市のページに記載なし
緊急通報体制整備事業 市内在住のおおむね65歳以上のひとり暮らし高齢者等で、電話等の連絡手段があり、要介護認定・特定の疾患・認知症の診断などに当てはまる方 ボタンを押すと受信センターに通報が届く。協力者が駆けつける方式と、警備員が駆けつける方式(令和7年度新設)がある 協力者方式 月額500円〜1,000円 / 警備員方式 月額1,000円〜2,000円(生活保護世帯は無料)
愛の一声訪問事業(松山市社会福祉協議会) 市内に居住する77歳以上のひとり暮らし高齢者 原則として週2回、乳酸菌飲料を訪問配布し、安否確認、不慮の事故防止、社会的孤立感の解消を図る 無料

出典: 松山市「高齢者やその家族向けの事業」および各事業のページ。2026年9月時点

表だけでは分かりにくいところを、大将から三つ補足させてください。

一つ目。「愛の一声訪問事業」の申込先は市役所ではありません。 お住まいの地区の担当民生児童委員にご相談ください。どなたが担当か分からないときは、松山市社会福祉協議会 地域支援課(089-941-3828)か市の長寿福祉課(089-948-6410)へ。

二つ目。緊急通報の「駆けつける人」が二種類あります。 協力者駆けつけ方式は、あらかじめ登録された協力者(ご近所の方など)に連絡が行きます。令和7年度に新しくできた警備員駆けつけ方式は、警備員が自宅に派遣されます。近くに頼める方がおらんでも選べる道ができた。これはありがたい♪ 費用は警備員方式のほうが高くなります。

三つ目。どれも「申し込めば必ず使える」ものではありません。 対象の要件は市が確認します。年齢だけでなく心身や世帯の状況も見られます。この記事の表は「当てはまりそうか」の見当をつけるためのものとお考えいただき、最後の判断は窓口でご確認ください。金額に幅があるものは、いくらになるかも窓口でご確認ください。

認知症の心配があるとき

行方が分からなくなることへの備えは、上の四つとは別にあります。

仕組み 内容 費用
徘徊高齢者家族支援サービス事業 認知症の症状により行方不明になった際に、速やかに居場所が発見できるよう、小型の電波発信機を貸与する。市内在住のおおむね65歳以上の認知症高齢者を居宅で介護している家族が対象 生活保護世帯は無料 / 市民税の所得割が課税されていない世帯 月500円 / 課税されている世帯 月1,000円
松山市認知症高齢者SOSネットワーク(おまもりネット) 行方が分からなくなったときに、あらかじめ登録された情報をもとに地域で捜索の協力を得るしくみ —

出典: 松山市「徘徊高齢者家族支援サービス事業」ほか。2026年9月時点

発信機の貸与は、長寿福祉課の基幹型地域包括支援センター(089-948-6949)が窓口です。

「まだそこまでではない」と感じられるかもしれません。その気持ちは、よく分かります。。。ただ、この手続きはご本人の状態が落ち着いているうちのほうが進めやすく、備えとして早めに相談される方も少なくありません。

診断がつく前の段階からの相談先については、認知症かもと思ったら|松山の相談窓口に、おまもりネットを含めて整理しています。

地域の目も加わっています

松山市には「松山市見守りネットワーク」という取り組みがあります。

高齢者や障がい者の方の安全・安心の確保と孤立死を防ぐことを目的に、民間事業者の協力を得て、異変をいち早く察知しようというものです。新聞や郵便がたまっている、いつも来る店に姿を見せない。そうした変化に気づいた協力事業者が市または社会福祉協議会へ電話で連絡し、情報が民生委員や地域包括支援センターと共有されて、現地の確認につながります。協力事業者は43事業者で、今後も増える予定と市は説明しています(2026年3月時点)。

これは家族が申し込む制度ではありません。ただ、ご家族が松山におられなくても、まちの側に見ている目がある。知っておくと安心材料になると思うんです。

大将は、こういう仕組みが好きです♪ 誰かひとりが頑張るのではなく、みんなが少しずつ見ている。

災害のときの備えは、また別の制度になります。そちらは介護が必要な家族の防災|松山の避難支援制度にまとめています。

松山では、どこに相談すればよいか

ここまで五つの事業を挙げてきましたが、窓口を全部覚えていただく必要はありません。入口はひとつで大丈夫です。

お住まいの地域を担当する地域包括支援センターにご相談ください。地域包括支援センターは、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員がチームで高齢者とご家族の相談を受ける、市が設置した拠点です。松山市内には13か所とサブセンター2か所が置かれています。

相談先 電話 何を相談するか
お住まいの地域の地域包括支援センター 市の一覧ページで確認 どこから手をつければよいか、全般
松山市 長寿福祉課 089-948-6408 みまもり員・緊急通報・実態調査
松山市 長寿福祉課 基幹型地域包括支援センター 089-948-6949 認知症の方の発信機の貸与
松山市 長寿福祉課 089-948-6823 見守りネットワーク
松山市社会福祉協議会 地域支援課 089-941-3828 愛の一声訪問事業

出典: 松山市各事業ページ。2026年9月時点

もうひとつ、申し上げておきたいことがあります。

介護保険のサービスは、見守りの役割も兼ねていると大将は感じています。 デイサービスに週二回通えば、週二回は職員さんがお顔を合わせます。訪問介護が入れば、家の中の変化に気づく人ができる。ケアマネジャーがつけば、月に一度は誰かが訪ねてくる。

「サービスを使う」という言葉が身構えさせるのですが、実際に起きているのは「見てくれる人が増える」ということです。

介護保険を使うには要介護認定の申請が要ります。手続きの流れは松山で介護保険を申請するには?窓口と流れに、在宅を続けるか施設を考えるかの分かれ目については在宅介護の限界、どこで施設を考えるかに書いています。

まとめ

  • 松山市の「見守り」はひとつの制度ではなく、目的の違う複数の事業です。何が心配かを言葉にしてから相談すると早い
  • 定期訪問なら独居高齢者みまもり員設置事業、急なときの通報なら緊急通報体制整備事業(協力者方式 月額500円〜1,000円 / 警備員方式 月額1,000円〜2,000円)、77歳以上の方には愛の一声訪問事業(無料)があります
  • 認知症で行方が分からなくなることへの備えとして、発信機の貸与(生活保護世帯は無料。市民税の所得割の課税状況により月500円または1,000円)とおまもりネットがあります
  • 松山市見守りネットワークには43事業者が協力。家族が申し込む制度ではありませんが、まちの側の目です
  • 対象になるかどうかは市が判断します。入口はお住まいの地域の地域包括支援センター(市内13か所とサブセンター2か所)で大丈夫です

見守りとは、監視することではない。生活の様子を知っている人が、少しずつ増えていくこと。大将はそちらのほうが近いと思っています。

大将が大事にしている「快」は、こちらが「してあげる」ものではなく、受け取ってくださる方の反応から生まれるものです。「してあげている」ではなく「させていただいている」。

だから、ご本人が「見張られとる」と感じるやり方では、その「快」は生まれません。手続きを進める前に、ひと言ご本人に聞いてみてください。ご本人の気持ちを置き去りにせんこと。現場から申し上げたいのは、そこです。

ご家族だけで抱え込まないでください。まずは地域包括支援センターへ。そのうえで、通いの場や住まいのことも考えてみようかとお思いになったら、見学のご相談をこちらのフォームからお気軽にどうぞ。お待ちしております♪


出典

※本記事は2026年9月時点の公表資料にもとづいています。制度の内容・費用・窓口は変わることがありますので、最新の内容は松山市の公式ページでご確認ください。対象になるかどうかの判断は市が行います。個別のご事情については、地域包括支援センター・ケアマネジャーにご相談ください。

まずは、見学にお越しください。

どの施設が合うのか、費用はどれくらいか。決めていない段階のご相談で結構です。お電話でもフォームでもお受けします。

見学のご相談 →

お電話 089-993-5737