デイサービスの一日|レクは何のためにあるか
ケアマネさんにデイサービスをすすめられた。そこでご家族から、いちばんよく出てくる質問がこれです。
「通って、何をするんですか」。
パンフレットには「入浴」「食事」「機能訓練」「レクリエーション」と並んでいます。がしかし、読んでも親御さんがどんな一日を過ごすのかは浮かんでこない。。。
とくに「レクリエーション」。「うちの親は、そういうのを嫌がると思います」と申し訳なさそうに言われる方が、本当に多いです。
その気持ち、よく分かります。今日は一日の流れと、レクが制度のうえでどう置かれているのかを整理しておきます。
デイサービスは、何をするところなのか
松山市の公式ページは、通所介護(デイサービス)をこう説明しています。
通所介護は、利用者が老人デイサービスセンターや特別養護老人ホームなどに通い、比較的小さなグループで日常生活訓練、食事や入浴の介護を受けるサービス
実施するサービスは、次の4つです。
- 入浴、排泄、食事などの介護
- 生活などに関する相談と助言
- 健康状態の確認、居宅要介護者に必要な生活の世話
- 機能訓練
出典: 松山市「通所介護(デイサービス)」。2026年9月時点
目的の側を書いた資料もあります。厚生労働省の介護サービス情報公表システムは、地域密着型通所介護を「利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう」提供されるサービスとし、社会的孤立感の解消・心身機能の維持・家族の介護負担の軽減を目的に挙げています。
大将が線を引いておきたいのは、「可能な限り自宅で」というところです。
デイは生活の本体ではありません。ここを取り違えると「預ける場所」を探す話になってしまいます。そうではなく、家に帰ってからの時間のために通う。大将はずっとそう考えています。
デイサービスの一日 — 送迎から送迎まで
一日の流れは事業所ごとに違います。ただ、骨格はだいたい共通しています。
| 時間帯の目安 | 主な内容 | 知っておくとよいこと |
|---|---|---|
| 朝 | 送迎車でお迎え | 送迎は介護報酬に含まれます。送迎時の居宅内介助を行う事業所もあります |
| 到着後 | 血圧・体温などの健康状態の確認 | 体調によってはその日の入浴を見合わせる判断があります |
| 午前 | 入浴、機能訓練など | 入浴の実施は事業所によって異なります |
| 昼 | 昼食、口腔ケア、休憩 | 食事代・おやつ代は介護給付の対象外です |
| 午後 | 機能訓練、レクリエーション、おやつ | 個別に計画を立てて行う機能訓練もあります |
| 夕方 | 送迎車でお送り | 利用できる時間帯は事業所ごとに決まっています |
この「時間」が、思っている以上に違います。厚生労働省の解説ページには、営業時間9時〜22時15分・利用可能時間帯2時間〜14時間未満という事業所と、8時30分〜16時・2時間〜7時間未満という事業所が、両方とも例として載っています。ご家族の働き方によっては、ここが決め手になることもあります。
しかもこの情報は見学の前に調べられます。国の介護サービス情報公表システムの「基本情報」には、利用定員、営業時間、職員の資格や経験年数、キャンセル料の有無、第三者評価の実施状況、そして「介護給付以外のサービス費用(食事代、送迎費、おむつ代など)」まで載っています。保険側の料金の決まり方は介護保険の「加算」とは?明細の見方で整理しています。
「レクリエーション」を、どう見るか
レクリエーションという言葉には、どうしても「遊び」「時間つぶし」という響きがついてまわります。折り紙を折らされる、歌をうたわされる。そういう画が浮かんでしまう。
まず、制度のうえでの位置づけを。前の章のとおり、通所介護が実施するサービスには「機能訓練」が含まれます。介護報酬にも個別機能訓練加算が設けられていて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置することなどが要件とされています(要件は改定のたびに見直され、直近は令和6年度改定)。体を動かす時間は制度に組み込まれていて、事業所はその内容を計画として説明できる立場にある、ということです。
だから、見学で聞いてよい質問があります。
| 聞いてみること | そこから分かること |
|---|---|
| このレクリエーションは、何のためにされていますか | 目的が説明できるか。ただの時間の埋め方になっていないか |
| 参加したくないと言われた方には、どうされていますか | 断る自由が守られているか。声をかけ続ける工夫があるか |
| 機能訓練は、一人ひとり内容が違いますか | 個別の計画にもとづいているか |
二つ目の質問。大将は、これがいちばん大事だと思っています。
レクに誘う。いや、と返ってくる。食事に誘う。いらん。お風呂に誘う。はいらん。
現場に立っていると、この場面に何度もぶつかり、そのたび迷うんです。いらんと言いよるのに無理にせんでも、という気持ちと、プロなんやから声をかけ続けにゃいかん、という気持ちと。大将はどちらを選んでも間違いではないと思っています。ただし、介助する側の都合で決めていないなら、という条件つきで。
大将が引いてきた線は、ひとつだけです。
「なんで?」と、一回掘って考える。
なんで今日は入りたくないんやろう。昼にようけ食べたけん、夕飯がいらんのかもしれん。そこを一回考える。考えたうえで引くのなら、それは尊重です。考えずに引いたら、ただ放っておいたのと変わらんようになってしまう。。。
見学では、この二つ目を聞いてみてください。返ってくる答えに、その事業所の考え方がよく出ると大将は感じています。
デイサービス・デイケア・総合事業 — 名前が似ていて中身が違う
「デイ」とつくサービスは複数あって、対象者も窓口も違います。
| 名前 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 要介護1〜5 | 都道府県などが指定。日常生活上の支援と機能訓練 |
| 地域密着型通所介護 | 要介護1〜5 | 利用定員19人未満。市町村が指定・監督 |
| 通所リハビリテーション(デイケア) | 要介護者・要支援者 | 介護老人保健施設、病院、診療所などで提供。理学療法や作業療法などのリハビリテーション |
| 総合事業の通所型サービス | 要支援1・2、事業対象者 | 市町村が実施。松山市では2種類あります(後述) |
出典: 松山市「通所介護(デイサービス)」「通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)」、厚生労働省 介護サービス情報公表システム、社会保障審議会介護給付費分科会資料。2026年9月時点
地域密着型通所介護のページには「要支援1・2の人は利用できません」と明記されています。要支援の方は、次の章の総合事業のほうへ進みます。
在宅を続けるか施設を考えるかで迷っておられる方は、在宅介護の限界、どこで施設を考えるかもどうぞ。
松山では、どうなっているか
松山市で通所介護について尋ねる窓口は、介護保険課 介護給付担当です(松山市二番町四丁目7-2 別館2階/089-948-6885・6924)。
事業所を探すときは、松山市の介護サービス事業所一覧が使えます。「居宅系1の一覧」に「地域密着型通所介護(デイサービス)」「通所介護(デイサービス)」「通所リハビリテーション(デイケア)」がまとめて載っています(2026年8月17日更新)。担当は指導監査課(089-948-6968)です。
要支援1・2の方と事業対象者の方は、松山市の介護予防・日常生活支援総合事業の通所型サービスが窓口です。2種類あります。
- 介護予防型通所サービス(独自) … 現行の介護予防通所介護に相当するサービス
- 生活支援型通所サービス … 緩和した基準による通所型サービス
総合事業の相談とケアプラン(介護予防ケアマネジメント)は、お住まいの地域の地域包括支援センターが担います。まだ要介護認定を受けていない方は松山で介護保険を申請するには?窓口と流れを、ケアプランについてはケアマネジャーは選べる?松山での探し方をどうぞ。
最後に少しだけ手前味噌を。大将は前職時代から、こう書いてきました。
デイサービスのそもそもの役割 ・在宅生活の援助。そのための機能訓練やレクリエーション。生活の中心は、家のはず。
十数年前の文章ですが、考え方はいまも変わりません。デイは、家での暮らしのためにある。そこだけは譲らずにおこうと思っています。
まとめ
- デイサービス(通所介護)は「入浴・排泄・食事などの介護」「相談と助言」「健康状態の確認と生活の世話」「機能訓練」を受けるサービスです
- 目的は、可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるようにすること。孤立感の解消と家族の介護負担の軽減も挙げられています
- 営業時間・利用可能時間帯・入浴の有無・食事代は事業所ごとに違い、介護サービス情報公表システムで事前に調べられます
- レクと機能訓練は制度に組み込まれた時間です。「何のためにしているか」は聞いてよい質問です
- 要支援の方は、総合事業の通所型サービスが窓口です
- 松山市の窓口は介護保険課 介護給付担当(089-948-6885・6924)、事業所一覧は指導監査課(089-948-6968)、総合事業の相談は地域包括支援センターです
「通って、何をするんですか」。冒頭のご質問に短く答えるなら、家での暮らしを続けるために、必要なことをする一日です。
何をするかは事業所ごとに違ってよいと思うんです。大事なのは、ご本人が「今日は行ってよかった」と感じられるかどうか。大将が言うている「快」は、こちらが「してあげている」ことの中にはありません。受け取ってくださった側の反応の中にしか生まれんのです。
だからレクひとつとっても、段取りが回ったかどうかではなく、ご本人の顔がどうだったかで見る。させていただいている、という立ち位置を崩さないように、これからもやってまいります♪
一日の様子は、言葉よりも見ていただくのが早いです。見学のご相談は、こちらのフォームからお気軽にどうぞ。
出典
- 松山市「通所介護(デイサービス)」 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohoken/hokensa-bisu/zaitaku/tsuusho_kaigo.html
- 松山市「通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)」 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohoken/hokensa-bisu/zaitaku/tsuusho_rihabiri.html
- 松山市「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/koureisyashien/sougoujigyou/sougoujigyou.html
- 松山市「介護サービス事業所一覧」 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kaigohoken/kaigohokenunei/zyouhou/jigyousyoichiran.html
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「8. 通所介護(デイサービス)」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/care_services_guide/care_services_guide_service08.html
- 同「地域密着型通所介護」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group25.html
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第239回 参考資料1「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001213182.pdf
- 社会保障審議会介護給付費分科会 第219回 資料1「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001119141.pdf
※本記事は2026年9月時点の公表情報にもとづいています。窓口・サービス内容・費用は変わることがありますので、最新の内容は松山市および各事業所の公式情報でご確認ください。